世界の主要各国で指導者の交代が相次いだ二〇一二年がまさに「政治の年」であったとすれば、一三年は新たに登場した指導者が低迷を続ける経済を立て直す年となるに違いない。そして世界はその成長エンジンを引き続き、ＢＲＩＣＳに求めることになろう。

「（世界一の富豪）メキシコのカルロス・スリムを超える」―こう公言するブラジルの大富豪、同国最大のコングロマリットであるＥＢＸグループの会長にして、・世界の鉱山王”エイキ・バチスタこそ、世界経済の成長を担う次世代リーダーの一人に違いない。

　社名に自身のイニシャルを冠した同社は、鉱業を中心に、港湾、造船、物流、石油・ガス、電力、不動産など幅広く事業展開している。「アラブの国富ファンド等から出資を得て、ブラジルのほか、他の南米諸国や南アフリカ、カナダ等の資源国に投資をし、日本の技術協力を得て開発、そして中国や米国に売る」というＥＢＸのビジネスフローは、まさに世界経済の縮図ともいえる。その個人資産は〇九年三月に七十五億ドルだったが、一年後の一〇年三月には二百七十億ドルと四倍近く増加させ、現在はさらに三百・・・