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政治

安倍は八月を越えられるか

石破とは「鉄のように冷たい」関係

2013年1月号

 自民党総裁安倍晋三(五十八歳)が再び印綬を帯びた。二〇一二年十二月二十六日。衆院本会議場で安倍は大きな拍手の中で深く頭を下げた。予想外の自民党総裁選勝利、衆院選圧勝、そして首相指名。まさしくホップ・ステップ・ジャンプ。九月の総裁選からわずか三カ月で戦後の吉田茂以来二人目の返り咲きを果たした。  しかし、安倍自身がこの首相就任が途中経過に過ぎないことを自覚している。約半年後には参院選挙が予定されるからだ。  衆院投開票日の十六日夜には自民党本部に早々とこんな貼り紙が出された。「参議院選挙投票日まであと223日」

「鬼門」の参院選をどう乗り切るのか

 安倍には苦い思い出がある。第一次安倍内閣を担っていた〇七年の参院選で、当時の小沢一郎が率いる民主党に惨敗、その二カ月後に体調不良も重なって退陣に追い込まれている。三年三カ月の短期に終わった民主党政権も〇九年八月の衆院選で圧勝、悲願の政権交代を果たしながら、翌一〇年の参院選で敗退し、坂道を転げ落ちた。「鬼門」の参院選をどう乗り切るのか。安倍の頭はそのことが大半を占める。 「参院選までは・・・