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経済

迫り来る「オバマ株暴落」

米国からの流出資金は日本へ

2013年1月号

「いいかい。ダウ平均の過去最高値は二〇〇七年十月十一日の一万四千百九十八ドル。今はそれに迫っているんだ。もし高値更新ともなれば大相場だ。だが、その手前で下げに転じるダブルトップになるならば、一万一千ドルで止まるかどうか。暴落といってもいい大幅な下げ相場になるだろう。二月から三月にははっきりするだろう」  こう語るのは、旧知の大手ヘッジファンドマネジャーである。彼らはすでにその準備に入っており、ここ三カ月ほどの間に株、商品先物など米国内でのリスク資産への投資額を半減させたというのだ。筆者がその理由を尋ねると、彼は一言、「オバマ」。「財政の崖」か、と重ねて尋ねると、「それもあるが、むしろ債務法定上限リスクと米国債の格下げだ」と答えた。  ブッシュ減税の廃止を中心に、富裕層を目の敵にしたかのようなオバマ大統領による増税策が、基本的に米国株や金などのリスク商品、先物の忌避につながっているというのだ。

想定される株価下落幅は一五%

 オバマの増税策―ごく一例を挙げると、米国の最高税率は現行の三五%から三九・六%へと移行する見通しで、特に配当収入・・・