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政治

《政界スキャン》

きわどい所へ来た「北方」問題

2013年2月号

 安倍外交が始動した。尖閣諸島問題がトゲのように刺さっているが、それに劣らず、難問は北方領土交渉である。「尖閣」をめぐる日中の軍事衝突の恐れがしきりに言われ、緊迫の度を増してきた。安倍晋三首相らによる集中的なアジア歴訪(安倍、麻生太郎副総理、岸田文雄外相の三人が、東南アジア諸国連合(ASEAN)十カ国のうち、マレーシア、中国に近いカンボジア、ラオスを除く七カ国の訪問を終えた)も、当然「尖閣」を意識したもので、対中牽制に狙いがある。

「北方」もまた「尖閣」と密接不可分だ。日露関係が進展すれば、それは日中にも敏感に響いてくる。「尖閣」という深刻なトラブルを抱え込んだ日本は、ロシアを味方につけたい。その分、足もとをみられ、領土交渉はやりにくくなるが、「北方」で失敗することは許されない。

 プーチン露大統領と親交が深いといわれる森喜朗元首相が、首相特使として二月にロシアを訪問する予定だ。森は年明けのテレビ出演で、
「安倍首相はやる気だろう。私は耕す。プーチンの『引き分け』発言は暗示的で、真意を聞いてみたい。一番いいのは国後島と択捉島との間に・・・