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経済

西武を離さぬサーベラスの「真意」

本性現したハゲタカ

2013年4月号

 ハゲタカの「化けの皮」がついに剥がれたというべきか。西武ホールディングス(HD)の筆頭株主で発行株の三二・四四%を握る米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントが事実上の敵対的買収に打って出た。四月二十三日までの間、株式公開買い付け(TOB)の形で西武HD株を一株一千四百円で買い付け、最大で持ち株比率三六・四四%までの引き上げを目指す。  サーベラス側は「普通株の若干の買い増しを行うものに過ぎず、西武HD現経営陣との協力関係をより緊密にしながら、コーポレート・ガバナンスの強化と企業価値向上を図るもの」としてあくまで友好的な素振りを装うが、これが詭弁であることは明らかだ。  何故ならTOB実施をサーベラスが後藤高志社長ら西武HD首脳陣に通告したのは三月六日、内容証明郵便で本社に送りつけてきたのが同八日。TOBに関する情報開示のあった同十一日から数えてわずか三~五日前に過ぎないのだ。 「友好的というのなら、二カ月くらい前には対象企業の経営陣に伝え、一緒にドラフト(草案)を作成するといった作業に入るというのが普通。数日前などということ・・・