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社会・文化

日本の土地で「荒稼ぎ」する中国

悪徳ビジネスの「隠れ蓑」に

2013年4月号

 ふくしま産業復興企業立地補助金にすばやく反応し、三十億円を手にした企業がある。南相馬市でソーラーパネルを「製造する」というG社(本社・東京)だ。地元での採用募集も順調で、若い人こそ集まりにくい模様だが、すでに九十人に内定を出した。 「早かったですもんね」。地元商工会幹部はそう評する。事業用地は三・六ヘクタール。市内の公有地を買い上げ、さらに三十ヘクタールの用地も確保すべく交渉中だ。海側の農地等が候補地になる。  G社は昨年十二月二十七日、南相馬市と「企業立地協定」も締結した。あれよあれよと言う間の出来事だが、同社の業務内容に「太陽光発電の製造業務」が初めて登記されたのは、その二週間前の十二月十三日。それにしても突貫工事だ。立地が予定される原町区といえば、原発からわずか二十キロメートル余り。「これほど福島第一(原子力発電所)に近いところに進出する意味は他にあるのではないか」(元県会議員)。一方で、こうした同社の意図を訝しむ声も地元で燻る。

在留資格斡旋ビジネスにも悪用

 そもそもこの会社、登記上の「日本人」代表者は、中国との二重国籍を・・・