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経済

西武に群がる「ハイエナ」ども

強欲外資のお先棒担ぐ元財務官僚

2013年5月号

「そういう提案をする予定はありませんし、過去にも提案したことはありません。今後もそういう提案をすることはございません」  米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントが四月五日、都内で行った記者会見。サーベラス側が西武ホールディングス(HD)に求めている、多摩川線・秩父線をはじめとした不採算・低採算路線の廃線化や西武ライオンズ球団の売却検討といった提案について、鈴木喜輝サーベラス・ジャパン社長はこう釈明し、必死で否定してみせた。  もちろん、「ウソ」である。昨年十月十二日付で後藤高志・西武HD社長に宛てた公式レターの中で、サーベラスのステファン・A・ファインバーグ最高経営責任者(CEO)は、多摩川線などを「不要路線」、ライオンズを「売却の選択肢」と明記しているのは本誌三月号既報の通りだ。  それにニューヨーク筋によると、ファインバーグCEOは今でも「不採算路線を廃止しろ、って言って何が悪い。法律には抵触しないだろ」などと嘯いているとか。いや、裏を返せばまさに「ファインバーグCEOのおっしゃる通り」(西武HD関係者)で、廃線化などが西武HDの企業価値向上に不可欠・・・