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経済

日本マクドナルドの止まらぬ凋落

化けの皮剥がれた「原田マジック」

2013年6月号

「既存店売上高が七年連続マイナスだった日本マクドナルドを就任後に八年連続プラスにした」  メディアで実績をこう自画自賛してきた日本マクドナルドホールディングスの原田泳幸社長。過大投資と過度な安売りで窮地に陥った同社に乗り込み、構造改革と斬新なマーケティングによってV字回復を主導し、その後も続ける増収増益―。そんなストーリーを人々は「原田マジック」と呼んだ。だが、ついに「化けの皮」が剥がれたと言うしかない。 「なんと今年、この予見の精度が狂った、というのが正直な感想でございます。それはひとえに、3・11の後、この予見の手法が従来の手法では当たらない、という非常に予見が難しい、えー、昨年と今年でございました」。原田氏は昨年十一月、「今後の成長戦略に関する記者発表会」のなかで、業績不振を振り返りこう述べた。だが、同社の既存店売上高はさらに減少を続け、一月と二月にはそれぞれ一七%減、一二・一%減と「二カ月連続の二桁減」という衝撃的な数字まで叩き出し、昨年四月から今年四月まで十三カ月連続で月次の既存店売上高がマイナスという「異常事態」が続いている。現在、こうした凋落ぶりを巡って盛んに・・・