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政治

拉致問題に命運賭ける安倍

九月「幕引き」狙う

2013年6月号

「飯島君は成算があってやったんだろう」  二度にわたって北朝鮮を訪問、日朝関係に風穴を開けた元首相小泉純一郎は元秘書飯島勲の電撃的な北朝鮮訪問をこう論評したという。  飯島が平壌の順安空港に降り立ったのは五月十四日午後。タラップを降りる飯島は両手に重たそうなバッグを三つ抱えていた。空港に出迎えたのは朝鮮労働党書記金永日。かつて小泉の二度目の訪朝の際に空港に出迎えた北朝鮮外交を担うトップだ。この時点で飯島に対する接遇ぶりから並の訪問者ではないことが徐々に伝わってきた。

国賓級だった「飯島接遇」

 飯島には日本の外務省から通訳が一人付き添っていたが、絶対にカメラに映らないように指示されていた。飯島の送迎用に提供されたのは国賓が使う黒のベンツ。平壌市街を走行する際は他の一般車両はすべて停止を命ぜられたという。そして飯島の宿泊場所に当てられたのが「百花園迎賓館」。かつて米国の元大統領ジミー・カーターもここに泊まっている。小泉が二〇〇二年九月十七日に電撃訪朝した際に行った故金正日との歴史的な日朝首脳会談も同じ百花園。この訪朝に同行していたの・・・