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社会・文化

世代交代迎えた ファッション界

一人気を吐く「重鎮」川久保玲

2013年7月号

 モードの頂点ともいえるパリやミラノのコレクションで、デザイナーの世代交代の波が訪れている。「シャネル」を手がけるカール・ラガーフェルド(七十九歳)、ジョルジオ・アルマーニ(七十八歳)、「コムデギャルソン」の川久保玲(七十歳)、ジル・サンダー(六十九歳)。歴史を作り上げたデザイナーたちが現役として活躍する一方で、四十代前後の気鋭のデザイナーたちが新しいモードの旗手として名乗りを上げている。ファッション界は今、迫りくる世代交代の波に揺れている。 リアルクローズ全盛の時代  昨今、デザイナーたちが最も意識している言葉に「モダニズム」がある。二〇一三―一四年秋冬レディスコレクションでも、何人かのデザイナーたちが「モダン」を強調していた。全てのデザイナーが「今」をデザインしようとしている以上、「現代的な服」を意識するのは当たり前のようにも思える。それでも、各人の「モダン」は千差万別。いったい、今のモダンなデザインとは何なのだろうか。 「異なる要素を組み合わせて、ロマンチックすぎず、デカダンすぎず、ノスタルジックに溺れない、モダンなルック」(プラダ)、「ハイカラッ・・・