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「金融後進国」韓国に迫る危機

メーカーが資金を回す異様な市場

2013年8月号

 朴槿恵大統領誕生から半年余りが経過したが、足元の経済に不安要素が大きいことが政権の安定を阻んでいる。ここにきて、韓国金融の脆弱性が指摘され巨大な時限爆弾となっている。 「韓国の金融機関、とりわけ銀行は規模も小さく体力も弱い。サムスンや現代といった世界的企業を抱えながら、『市場の血流』を担う金融システムはいまだに近代化できていない」  大手証券会社の韓国人アナリストはこう指摘する。多くの銀行がドメスティックであるだけでなくメガバンクも存在しない状態は、一九九七年の金融危機のときから変化がないという。 「金融不安の足音は、地方金融機関の経営不振という形で近づいてきている。日本のバブル崩壊のときのようだ」  在ソウル・ジャーナリストはこう語る。七月二十二日付の聯合ニュースは今年に入って半年の間に金融当局からの制裁措置を受けた貯蓄銀行が三十九行に上ることを報じている。貯蓄銀行とは「銀行」を名乗ってはいるものの日本の信用組合のような金融機関で、住宅ローンなどを取り扱っている。全国九十一行のうち、三分の一以上が経営改善を求められるという異常事態だ。「韓国の不動産バブルはす・・・