七月二十二日、安倍政権が防衛大綱の見直しと同時に「武器輸出三原則」撤廃の検討に入っていることが明るみに出た。民主党政権時代に緩和された禁輸措置について、さらに踏み込むことが予想される。

　禁輸見直しで真っ先に名前が挙がるのは海上自衛隊の海難救助飛行艇「ＵＳ－２」だろう。この飛行艇にはインドなどが熱い視線を注いでいることが知られており、現在日本政府との輸出交渉が行われている。

　六月に関西で人気を博するニュース・キャスターがヨットで遭難、その救助に向かったことでも注目を浴びたＵＳ－２が関西で作られていることは地元でもあまり知られていない。

　神戸市東灘区、東神戸港に面した工場地帯の一角に、ＵＳ－２を製造している新明和工業甲南工場がある。

　新明和工業は、航空機部門のほか、ごみ収集車やコンクリートミキサー車などの特装車や、機械式駐車場、空港の搭乗橋などを製造する複合メーカーだ。前身は旧軍の九七式大艇、二式大艇など大型飛行艇や、紫電改といった戦闘機製造を行った川西航空機だ。同社は航空機研究が禁止されてい・・・