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経済

サムスンの「計略」に嵌るソニー

新興国戦略に重大な「誤算」

2013年11月号

「新興国市場での現状をご報告します。(中略)特筆すべき市場は、インドです。インドはグループの総合力を最大限に活かし、昨年度は液晶テレビでシェアナンバー1! これに加えましてコンパクトデジタルカメラ等主要なAVカテゴリーもシェアナンバー1! 全体の売り上げは一一年度比三〇%増加しました」  ソニーの平井一夫社長は今年五月の経営方針説明会で、五大重点施策の一つである「新興国事業の拡大」状況についてこう述べた。同社エレクトロニクス事業の売り上げに占める新興国比率はすでに五割を超えており、増加の一途を辿る。そうしたなか、国別の同社エレクトロニクス事業の売り上げで一一年度の六位から、一二年度に米、中、日に次いで四位となったのがインドだ。同国での売り上げは一〇年度が五百四十四億ルピー、一一年度が六百三十一億ルピー、一二年度が八百二十億ルピーと確実に成長しており、一三年度もスマートフォン需要の急拡大でさらなる伸びを予想している。いわば、ソニーブランドが輝きを失っていない世界で唯一の市場、それがインドだ。だが逆に言えば、韓国勢にとって、ソニーが脅威と映る唯一の市場でもある。 真の狙いはソニーの追い落とし・・・