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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》東宮

皇室危うくする雅子妃

2014年1月号

 東京港区赤坂の赤坂御用地。嘉仁皇太子(大正天皇)の東宮御所として建設された「赤坂迎賓館」の南側に緑に包まれ広がる敷地は元の紀州徳川藩中屋敷で、面積約五十ヘクタールもある。尾張徳川の戸山荘、水戸徳川の小石川後楽園と並ぶ徳川御三家の江戸三大名園のひとつで、中央の大池を巡る美しい大名庭園は春秋の園遊会場となっている。ここに東宮御所と各宮家、皇族共用殿邸が点在する。

 迎賓館と学習院初等科の間を外苑方面に下る鮫ヶ橋坂下の通用門から入り三百メートルほど坂を登ると、ひときわ大きな東宮御所が現れる。公的行事に使う公室十二室、住まいである私室二十二室、付設の事務棟三十八室。そばには側近護衛にあたる皇宮警察本部護衛第二課詰所、車庫や運転手詰所、集会所などもある。

 御用地内は皇宮警察本部赤坂護衛署が、外周は警視庁が厳しく警備し、要所の動きは全てカメラで監視している。以前は自由に出入りできた宮内記者会所属記者も今は原則立ち入り禁止。毎週金曜日の東宮大夫定例会見も「妃殿下は記者が大勢来ると思うだけでご負担」として皇居の本庁記者クラブで開かれている。
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