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経済

《クローズ・アップ》榊原定征(次期日本経団連会長)

異例の抜擢を受けた「過去の人」

2014年2月号


 三兆四千七百九十七億円→一兆九千五百二十四億円→一兆五千八百八十六億円―。「次」を含めたここ三代にわたる日本経済団体連合会(経団連)会長会社の連結売上高だが、それにしても代を重ねるにつれてどんどん小粒になっていくのはどういうわけか。「地盤沈下の象徴。まるでバナナの叩き売りみたいだね」。ある財界OB幹部からはこんな皮肉も漏れる。

 二期四年の任期満了を迎える米倉弘昌経団連会長(住友化学会長)の後任に、合繊最大手で東レ現会長の榊原定征氏を起用することが決まった。今年六月の定時総会を経て、第十三代会長として正式に就任する。榊原氏は愛知県出身の七十一歳。名古屋大学大学院を修了して一九六七年東レ(当時は東洋レーヨン)に入社したエンジニアで、二〇〇二年六月に社長に就任。同年三月期に単独決算で初の営業赤字に転落するなど「どん底状態」(関係者)にあった同社の業績立て直しや、いまや世界首位となった炭素繊維をはじめとする新事業の育成・強化など事業構造の改革に辣腕を振るった。〇七年には社長在任のまま、当時経団連会長だった御手洗冨士夫氏(キヤノン会長)に・・・