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WORLD

欧州で孤立深めるドイツ

リーダー不在で迷走するEU

2014年2月号

 経済危機が続く欧州連合(EU)は今年、立法機関である欧州議会の選挙(五月)に始まり、執行機関・欧州委員会の委員長、名目上のEUトップ欧州理事会議長、外相に当たる外務安全保障政策上級代表の総入れ替えを控え、変革期を迎える。中枢ポストでドイツの影響力が強まる情勢で、加盟国間の亀裂は一段と深まりそうだ。 「メルケルの好き嫌い」が関心事  ヨーロッパ各地の新聞読者は一月、見慣れないドイツ人の会見記事を目にした。今年五十九歳になるマルティン・シュルツ欧州議会議長が、欧州議会第二会派である「社会民主進歩同盟」の委員長候補に選ばれ、各国メディアに登場したのである。議長はドイツ、オランダ、ベルギー三国の国境地帯に生まれ、三十八歳で欧州議会議員に当選するまで、故郷の小さな町で書店を経営していた。 「政治のキャリアは欧州議会だけで、国政経験はゼロ。アンゲラ・メルケル独首相に気に入られているのが最大の売りです」とは、在ブリュッセル記者の評。一連の発言は、多くの国で反発を招いた。独紙との会見では、「メルケル叩きは、ドイツ叩き。受け入れられないね」と語った。BBC(英国・・・