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経済

《クローズ・アップ》吉田慎一(テレビ朝日次期社長)

好調テレ朝に天下る「新聞記者」

2014年4月号

好調テレビ朝日が抱えるのは、果たして「お荷物」か―。

 テレ朝は、二〇一三年度の視聴率で日本テレビを抑えてゴールデン、プライムの二冠に輝いた。直近、一四年度第3四半期決算では、売り上げが前年同期比五・七%増、営業利益は三四・八%増。年度決算でも、経常利益は三割以上のアップが確実視されている。

 躍進の原因は、初の生え抜き社長として牽引した早河洋社長の手腕によるものというのは衆目が一致するところ。「テレビマン」として番組作りを知る早河氏は、「報道番組はもちろん、ドラマやバラエティまで目を配り今日のテレ朝を牽引してきた」(テレ朝関係者)。一方で、朝日新聞から送り込まれた役員を子会社に出すなど、「脱朝日新聞を進めてきた」(同)張本人でもある。

 しかし、四月一日から認定放送持ち株会社として新たなスタートを切ったテレ朝が、次期社長に朝日新聞から吉田慎一氏を迎える。すでに吉田氏はテレビ朝日に籍を移し、六月の株主総会で社長に選任される見通しだ。

 吉田氏は東京大学法学部を卒業し一九七四年に朝日新聞に入社。政治部・・・