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政治

《土着権力の研究》三重県 岡田家

イオン創業地で誇る「権勢」

2014年5月号

 三重県四日市市の中心街は、「JR四日市」ではなく、「近鉄四日市」の駅周辺に広がる。古くから工業地帯として栄えたため、一日当たりの乗降客数県内一位の座を長年守っている。

 駅からほど近い諏訪栄町、中央通りから駅前アーケード街に入る場所に一千七百平米余りの土地がぽっかりと空いている。かつて「ジャスコ」が存在していた場所だ。いまや国内小売り最大手、グループ全体で五兆円を超える売り上げを誇る巨大カンパニーとなったイオンの「創業地」だ。

「イオンは創業の地でさえ冷酷に切り捨てた」

 地元の飲食店経営者はさびしそうに語る。通勤通学客が多いことから、飲食店などへの影響はないが、商店街入り口に放置された空き地は町のイメージを損ない続けているという。二〇〇二年一月の閉店後、跡地は更地にされ何度かイオンが新たな商業施設を作るという噂は出たが実現していない。現在空き地になっているのはかつてのジャスコ四日市店A館があった場所だ。B館跡地には近鉄不動産が分譲した十八階建てマンションが建っており、この十四階に民主党の衆議院議員、岡田克也の自宅があ・・・