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経済

日産の新興国戦略は「敗色濃厚」

韓国現代に力負けする「低価格車」戦争

2014年5月号

「ダットサンは『日産パワー88』計画の多くを支え、その後は日産の成長の大部分を占めるようになります!」。日産自動車のカルロス・ゴーン社長兼CEOは四月八日、訪問先のモスクワで記者団に熱弁を振るった。日産は往年のブランド「ダットサン」を今後の世界戦略の中核をなす新興国向けブランドとして復活させた。すでにインドで三月十九日に販売が開始され、今後はインドネシア、ロシア、南アフリカへ順に投入される。  だが、ここに衝撃の数字が飛び込んでくる。二千七十二台―。注目された第一号車種「ゴー」のインドにおける三月の販売台数は、ダットサン事業に垂れ込める暗雲を物語っている。三十一万ルピー(約五十二万円)からという激安価格でこの数字では話にならない。  日産は「現代によく似た車ダットサン」(業界関係者)の投入によって今後、否応なく韓国・現代自動車との熾烈な「全面戦争」を迎えることになる。  だが、将来の低価格大衆車市場の帰趨を占うこの戦いの中で「CEOへの執着」を抱くゴーン氏の行く手には、「敗北」の二文字しか見えない。 ロシアは世界四位決定戦の主戦場  ・・・