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連載

西風 396

「創価学会」を敵に回した橋下

2014年5月号

 嵐の前の静けさか―。橋下徹市長の破れかぶれの出直し選挙が史上最低の投票率で終わって以降、全国ニュースで取り上げられる「橋下維新ネタ」はすっかり減った。唯一、国会議員団と大阪維新の軋轢が伝えられる程度だ。しかし、大阪府政・市政の取材経験の長い全国紙在阪記者はこう語る。

「今はなにが起こっても不思議ではない」

 来年四月の統一地方選挙まで一年を切った。維新会派の府議、市議の間に広がる動揺は隠しようもない。橋下人気の凋落ぶりを改めて突き付けられたことが直接の原因だが、理由は他にもある。

「公明党とあそこまで対決姿勢を鮮明にするのは得策ではなかった。大阪で公明党を敵に回して勝てた人間はいない」

 全国紙政治部記者はこう語る。橋下市長は二月に辞職を表明した際、公明党への恨み節が止まらなかった。直接のきっかけは大阪市を特別区に分割する検討を行う「大阪府市特別区設置協議会」で、市長側は「案を一つにまとめたい」と提案したが、公明党が反対に回り否決されたことだった。

 会見で橋下氏は、三年前の・・・