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キリスト教徒「急増」に悩む中国

バチカンとの「国交再開」が難題に

2014年7月号

 中国当局は、キリスト教、それもカトリックへの締め付けを強化し始めた。吉林省の延辺朝鮮族自治州では六月になってから、警察当局による「宣教師狩り」が激しくなったという。地元の政府関係者によると、六月十五日までの約二週間で、十人以上の韓国人宣教師が強制送還され、地下教会などを主宰する二十人以上の朝鮮族中国人が拘束された。同地域で活動するキリスト教関係者はプロテスタント系も数多くいるが、今回、集中的にやられたのはカトリック系だけであった。  背景には、八月に予定されているフランシスコ・ローマ法王の韓国訪問があるという。ローマ法王の訪韓は、一九八九年のヨハネ・パウロ二世以来、二十五年ぶりのビッグイベントであり、カトリック教徒が多い韓国では、国をあげて盛り上がりを見せている。中国は、そんな法王訪韓の影響が国内に及び、バチカンに帰依する中国人信者が不穏な動きに出ることを恐れている。 地下教会の信者は「一億人」  バチカンは欧州で唯一中国と国交を結んでいない国である。一九五〇年代初め、司教の任命権などをめぐって対立して以来、国交断絶したままだ。中国政府は独自に「中国天・・・