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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》危険だらけの食肉加工品

国産でも恐ろしい「製造工程」の暗部

2014年9月号

「中国製でなければ安全ということはない」

 上海の食肉加工工場で発覚した期限切れ肉使用問題について、中堅食肉商社の幹部はこう語った。期限切ればかりか、腐った肉を使用していた映像は大きなショックを与えた。

「製造工場をタイに変えれば安全なのか」

 この幹部は逆に問う。実は、タイやベトナムはおろか日本の食肉加工の現場でさえ内情は「五十歩百歩」だという。肉の生産、加工、流通の末端まで、いたるところに問題がある。背景には食肉業界のモラルの低い体質が横たわる。加えて、外国にはない「日本特有の闇」(前出商社幹部)も広がっているのだ。食肉加工品メーカーOBが「スーパーに並ぶ自社の商品はもちろん、外食もほとんどしない」と言い切る食肉加工品の危険性とは何か。


大量に投入される肉以外の「添加物」


 兵庫県内にある食肉加工工場。ここはある食品メーカーの中核工場で、敷地内にはハンバーグやソーセージといった製品ごとの製造ラインが入った建屋が並ぶ。

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