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社会・文化

桁違いの米「スポーツ・マネジメント」

錦織圭・石川遼が頼る「巨大代理店」

2014年10月号

 日本時間九月九日早朝、現地時間では前日の午後五時、一人の日本人青年が世界最高の舞台に立ち、日本中が彼に熱狂した。放映権を持たない地上波各局が切歯扼腕する中、WOWOWは過去最高の契約加入者を獲得し、契約を結ぶユニクロの株価まで上昇した。 大会の運営にも参画  八月二十五日に全米オープンが始まった頃に誰がこの「錦織圭フィーバー」を予想していたか。勝ち進むにつれて徐々に盛り上がり、決定打となったのは準決勝で世界ランキング一位のノバク・ジョコビッチを破ったことだろう。錦織は第四セット、突如として転がり込んだマッチポイントを押さえ、両手の拳を高く突き上げガッツポーズした。激闘した両選手には共通項がある。錦織、ジョコビッチともにIMGの契約選手なのだ。  正式名称はインターナショナル・マネジメント・グループだが、IMGのほうがスポーツ界では通りがいい。逆にIMGを知らぬ者はもぐりだ。マネジメントという名が示す通り、選手の代理人を多く抱えるが、単純に「マネジャー業」をする企業ではない。スポーツジャーナリストが語る。 「大会運営やライセンス売買などスポーツにま・・・