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「イラク化」するアフガニスタン

テロ集団の割拠で「内戦再発」へ

2014年11月号

 アフガニスタンの首都カブールで十月、新政権発足直後のわずか二日間で三件の自爆テロが起き、軍関係者ら十数人が死亡した。「タリバンやヒズビ・イスラミは政治プロセスに参加してほしい」。自爆テロは、就任演説でこう呼びかけたアシュラフ・ガニ新大統領に対する明確な「返答」とも受け取れた。相前後してタリバンの最高指導者オマル師が出した声明は、自信に満ちあふれたものだった。「ジハードは惜しみない犠牲により米国を打ち負かしている」「米国の莫大な軍事的、経済的損失と世界レベルでの信用低下は、米国の衰えの兆候である」―。  アフガンでタリバンの進撃が止まらない。各地で数百人規模の大規模攻勢や警察署の襲撃などを繰り返しているほか、一部地域では「影の知事」を置き、支配を強めていると言われる。ガニ氏はタリバンとの和解を掲げるが、一定の支配力を維持している現状では交渉の糸口を見つけるのは困難だ。  治安維持の大前提である「民族融和」にも黄信号がともる。最大民族パシュトゥン人のガニ大統領とタジク系のアブドラ・アブドラ行政長官の間には、選挙戦で泥仕合を演じた確執が残る。アブドラ陣営の支持者には「ガニは真の・・・