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政治

《罪深きはこの官僚》山田雅彦(厚生労働省大臣官房総括審議官)

医薬官僚「接待疑惑」でデタラメ答弁

2021年7月号

 四月二十一日の衆議院厚生労働委員会の席上、立憲民主党の川内博史議員が質問に立った。ワクチン調達などについての質問の後、同議員はこの前日に流れた「一部ネットの報道」に言及した。二〇一六年以降、米製薬大手ファイザー社と契約したコンサルタント会社から、厚労省の次官や局長クラスの幹部が接待を受けていたという疑惑について質した。
 国会では名前は出なかったが、このコンサル会社とは近年、「永田町のフィクサー」と称され度々取り沙汰されてきた矢島義也氏率いる大樹総研のことだ。報道によれば、大樹総研がファイザー社とコンサルティング契約を結び、厚労省の役人への接待を少なくとも一六~一八年まで行っていたという。事情を知る永田町関係者はこう打ちあける。
「ファイザーは、厚労省とのパイプを作りたかった。そのために、政官界に広い人脈を持つ大樹を頼った」
 大樹総研といえば、元々は旧民主党系の人材が集まっていたが、その後守備範囲を徐々に拡大。一六年五月に開かれた矢島氏の結婚披露宴には、菅義偉首相や、二階俊博幹事長が出席したことが確認されている。
 矢島氏自身は財務省に食い込・・・

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