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政治

《罪深きはこの官僚》池内幸司(国土交通省 水管理・国土保全局長)

「ゾンビ公共事業」復活の司令塔

2014年11月号

「スーパー堤防より悪質かもしれない」

 全国紙国土交通省担当記者はこう語る。「国土強靭化」の名の下に、全国で公共事業が推進されている中で、国交省はまたぞろムダ事業を復活させようと画策している。

 霞ヶ浦導水―。霞ヶ浦と利根川、那珂川を地下トンネル(導水路)で結び、水のやり取りを行うというもの。民主党政権時代に凍結されたが、安倍晋三内閣は八月下旬に事業継続を決定した。

 スーパー堤防事業と同様に、この間、国交省と出先機関である関東地方整備局が事業継続を訴え続け、関係自治体にも呼びかけていた。その「努力」が実って事業が再開されることとなったが、問題は山積している。

 関東地方整備局の河川部を実働部隊として使い、同事業の復活の司令塔となっているのが水管理・国土保全局(旧河川局)の局長、池内幸司である。池内は、一九八二年に東京大学大学院工学系研究科を修了後、同年四月に建設省(当時)に入省したキャリア技官だ。ほぼ一貫して河川局に籍を置き、二〇〇〇年以降では今年七月までの一年間、近畿地方整備局長に出たくらいだ。・・・