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政治

「憲法改正」安倍のロードマップ

参院「三分の二」をどう確保するか

2015年1月号

「私の大きな目標であり信念だ」  安倍晋三首相は衆院選投開票日の二〇一四年十二月十四日夜、ラジオ「ニッポン放送」のインタビューで憲法改正についてこう意欲を示した。翌十五日の記者会見では、自民、公明両党で憲法改正の発議に必要な三分の二(三百十七議席)以上を確保したことを踏まえ、次のように述べている。 「憲法改正は自民党結党以来の主張だ。最も重要なことは国民投票で過半数の支持を得なければならない。国民の理解と支持を深め、広げていくために、自民党総裁として努力したい」  衆院選では、憲法改正は大きな争点とはならなかった。今回の衆院解散・総選挙を「アベノミクス解散」と命名した安倍首相自身、選挙戦で憲法改正を正面から取り上げたわけではない。  必ずしも国民的関心の高くない憲法改正を旗印として掲げても、集票に結びつかないのは分かりきっているからだ。国民の最大の関心事はおおむね「景気」と「経済」、つまり己の懐具合であることを政治家は熟知している。  とはいえ、政治家・安倍晋三の最大のテーマが憲法改正であることは間違いない。第一次政権時代に唱えた「戦後レジームからの脱却」・・・