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イスラム国の命綱「黒いシルクロード」

中央アジアが過激派の「オアシス」に

2015年3月号

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が、ロシア南部から中央アジア、中国のイスラム教徒に影響力を広げている。歴史的な交易路であるシルクロード(絹の道)に沿うように、各地のイスラム組織がISに「忠誠」を誓い、若者を中心にリクルート活動を強めている。中央アジア諸国では、陰惨な独裁と社会の腐敗・不公正の蔓延によって、現体制に対する不満が募っており、イスラム過激派の主張が浸透する土壌は豊富だ。地中海地域と中国を結んで、イスラム過激派の「黒いシルクロード」が出現する可能性も指摘されている。  今年二月、中央アジア五カ国で「ISの脅威」に対する警戒レベルが一斉に高まった。  ウズベキスタン当局は二月初旬、「我が国内で今春、大規模なテロを行うという情報をつかんだ」と発表した。過激派間の通信傍受によって、情報を得たという。  キルギス政府は同時期、「我が国でIS戦闘員のリクルートを行っていた」として、八十三人を摘発したと発表した。  カザフスタン出身で、シリアへの渡航歴のある男が、ロシア・ノボシビルスクの大学で、同じ寮に住む学生らを勧誘しようとして逮捕されたのも、二月だった・・・