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政治

《土着権力の研究》宮城県 仙台第二高校「OB人脈」

復興景気の陰で伸長する「学閥」

2015年3月号

 震災から早くも四年を迎える。原発事故という特異現象のあった福島の一部を除いて、被災地は徐々に立ち直っている。宮城県の土建会社経営者が語る。

「アベノミクスとは別の次元で経済が回っている。人手不足は苦しいが、うれしい悲鳴」

 被災三県の中でも、とりわけ宮城県の景気は頭抜けている。「バブル」のような狂騒は去ったが、いまだに復興特需で潤い、震災前までは青息吐息だった建設業を中心に地元経済界はわが世の春を謳歌している。地元財界重鎮が語る。

「この間に宮城県内でのパワーを確固たるものにしたのは二高の連中だろう。今後一高は勝てない」

 二高とは宮城県仙台第二高等学校のことである。二高と一高は、東北大学への進学実績で長らく二強を占めてきた。近年は二高が一高に差をつけてきたが、この重鎮の言葉が意味するところは大学合格者数の序列という些末なものではない。

「宮城の政財界の意思決定は二高出身者が牛耳っていく」

 宮城に限らず名門県立高校出身者が、地元で幅を利かせるケースは地・・・