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社会・文化

汚職摘発できぬ 「警察と検察」

悪党どもの高笑いが聞こえる

2015年3月号

 二〇一五年に入り二カ月が過ぎた。東京都千代田区、皇居に面して佇む警視庁。都内で起きる様々な事件を扱う捜査員が集まるこの建物の中は、日中でもどこか薄ら暗い。中でも一際どんよりとした空気に包まれている部署がある。捜査二課―。いわゆる知能犯を専門に取り扱うこの部署の警察官は、殺人犯や強盗犯を追う一課の刑事や、暴力団と日々対峙する四課の人間とは、顔つきも異なる。どこかサラリーマン然としながら、眼光鋭い切れ者が集う場所だ。  遡ること二〇一三年十一月に「せこい汚職事件」(全国紙社会部記者)を挙げて以降、警視庁捜査二課が手柄とすべき立件が絶えて久しい。昨年一年間は遂に一件も独自事件を送検できなかった。三十年ぶりの異常事態だ。 立ちはだかる「トリカン」 「情報収集の手段が限られている。これでは端緒を拙むことはできないだろう」  ノンキャリアで捜査二課畑を歩んだ警視庁OBは嘆息した。現在と過去の二課の刑事を比較した場合に、街に出て情報を集めてくる手法が変わってしまったのだという。このOBが続ける。 「かつては事件を抱えていない刑事は、街を歩き、夜半まで飲み・・・