KDDIは「楽天買収」へ動くか
「携帯首位」への遥かな野望
2025年6月号
それは、NTTドコモへの密かな牽制に違いない。
「競争力の源泉である通信品質の優位性を今後も堅持して参ります」
KDDIの社長・松田浩路は5月14日、2024年度決算の発表会見の席上、「通信品質」の4文字を繰り返し強調した。国内最多の10万局を超える5G(第5世代移動通信システム)基地局、また英調査会社の「つながる体感」レポートで世界評価1位に輝いた実績、これらを誇る松田の発言は、5G移行に失敗し、今や“つながらないケータイ”と揶揄されるドコモとの明暗を浮き彫りにする。
実際、今期25年度の連結営業利益の計画は、ドコモが9660億円(前期比5・3%減)と大台の1兆円割れに陥るのに対し、KDDIは1兆1780億円(同5・3%増)と堅調、彼我の差は一段と広がるのだ。前身の第二電電から数えて9代目社長の髙橋誠(現会長)までは、同社はNTT対抗の二番手キャリアの立ち位置だった。しかし、1カ月半前、10代目に就いた松田の口吻には「もはや二番手ではない」という自負が漂う。
その松田が4月、実現させたのが衛星通信「auスターリン・・・
「競争力の源泉である通信品質の優位性を今後も堅持して参ります」
KDDIの社長・松田浩路は5月14日、2024年度決算の発表会見の席上、「通信品質」の4文字を繰り返し強調した。国内最多の10万局を超える5G(第5世代移動通信システム)基地局、また英調査会社の「つながる体感」レポートで世界評価1位に輝いた実績、これらを誇る松田の発言は、5G移行に失敗し、今や“つながらないケータイ”と揶揄されるドコモとの明暗を浮き彫りにする。
実際、今期25年度の連結営業利益の計画は、ドコモが9660億円(前期比5・3%減)と大台の1兆円割れに陥るのに対し、KDDIは1兆1780億円(同5・3%増)と堅調、彼我の差は一段と広がるのだ。前身の第二電電から数えて9代目社長の髙橋誠(現会長)までは、同社はNTT対抗の二番手キャリアの立ち位置だった。しかし、1カ月半前、10代目に就いた松田の口吻には「もはや二番手ではない」という自負が漂う。
その松田が4月、実現させたのが衛星通信「auスターリン・・・