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政治

女帝・小池が再び「ジョーカー」に

国政揺らす「都議選」の荒れ具合

2025年6月号

 小池百合子東京都知事が、また選挙前のバラマキをぶち上げた。今度は都内約800万世帯を対象に、夏場4カ月間の水道基本料金をタダにするという。物価高騰で皆さんやり繰りが大変でしょう、夏場のエアコン使用を我慢しないよう電気代の足しにして、どうか熱中症を防いでください、という口上だ。
 昨年夏、東京23区は熱中症で263人が死亡。今年も猛暑が予想されている。電気代でなく水道代なのが回りくどい。基本料金だけなので、4カ月で引かれるのは世帯当たり約5千円。コメ5㎏袋を一つ買えるが、二つは買えそうにない。微妙なありがたさだが、悪い政策とも言えない。予算総額368億円。6月都議会で臨時特別措置として補正予算案に計上する。
 発表したのは5月20日、東京都議選(6月22日投開票)1カ月前。「やっぱり出してきたか。毎度のことだ」。各党幹部はもはや反発することも忘れている。昨年7月の都知事選前にもバラマキが連発され、小池氏圧勝につながった無力感を引きずっているからだ。
 昨年は4月に所得制限なしの高校授業料実質無償化を開始。6月には物価高騰対策として、住民税非課税の190万世・・・

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