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経済

同族会社「お家騒動」の法則

大塚家具を笑えない企業が続々

2015年4月号

 大塚家具の「お家騒動」は他山の石、決して珍しいものではない。昨年四月には三重県伊勢市の老舗和菓子店・赤福で濱田典保社長が実父である先代社長の益嗣らに更迭され、実母が新社長に就任するという「先祖返り」クーデターが起きたのも記憶に新しい。同族企業を支えてきた「団塊の世代」の経営者たちがこれから七十代を迎え、引退や死没する時期に入る。同族経営の企業では規模の大小を問わず「世代交代」ラッシュが刻一刻と迫っている。会社の存亡がかかる事業承継。しかし、大塚家具や赤福のように、親子で「骨肉の争い」に発展するケースも少なくない。なぜ、血を分け、苦楽を共にしてきた家族の間で、他人同士よりも醜い経営の主導権争いが起こるのか。 古参社員が火に油 「お家騒動には三つの要因がある。第一に先代が自分の経営力を過信し、後継者に口出しをすること。第二に古参社員が環境変化を嫌い、先代の経営関与、先祖返りを強く求めること。第三に先代と後継者の間で意思疎通ができていないこと。いずれも先代に問題がある」と、事業承継が専門の経営コンサルタントは指摘する。  大塚家具では「大塚勝久会長が久美子社・・・