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政治

《政界スキャン》362

天皇・皇后も凝視する「安倍談話」

2015年4月号

 戦後七十年の今年、安倍晋三首相が出す談話を巡って、内外ともにかまびすしい。

 前進か、反省か―。

 主張は、談話の力点をどちらに置くかで分かれている。国際環境は大きく変わった、未来へ打って出よう、という立場からすれば、「過度な反省」は、過去に足を取られる後退とも見えるようだ。安倍氏は、反省重視の中国・韓国と「左寄り」メディアを、談話政策の「障害」とみなしているのかもしれない。だが、取り巻く構図は、もう少し複雑だ。

 談話のために首相が諮問した有識者会議が始まってすぐ、座長代理で取りまとめ役となる北岡伸一国際大学学長が、

「私は安倍さんに日本は侵略したとぜひ言わせたい」

 と発言した。外務省報道官が同席し、外国メディアが多いシンポジウムでのやり取りだったことを割り引いても、ニュアンスが気にかかる。どうせ首相は言わないだろうけどね、という諦めと無力感、談話に「侵略」が入らなくても私たちのせいじゃないよ、という言い訳に聞こえるからだ。

 同じ場で北岡氏は、{b・・・