三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

三井物産が抱える「時限爆弾」

総合商社二位から「転落」の日は近い

2015年5月号

「三十二人抜き社長の出鼻を挫いてやる!」  伊藤忠商事の岡藤正広社長の周辺からは、こんな怪気炎が上がる。〝三十二人抜き社長〟とは言うまでもない、四月一日、取締役でもないヒラの執行役員から、五十四歳の若さで三井物産社長に就いた安永竜夫氏のことだ。一月に新社長が発表されると、世間は大抜擢に刮目し、メディアの多くも三井物産の果敢な人事戦略を好意的に報じたことは記憶に新しい。  しかし、肝心の同社の二〇一四年度第3四半期決算(連結)は、原油・鉄鉱石価格の暴落が響いて大幅減益。通期の純利益見通しを三千八百億円から三千二百億円へ下方修正した。これに気を良くしたのが岡藤氏だ。非資源の機械と住生活・情報部門が好調な伊藤忠商事は、一四年度(同)三千億円の純利益を見込んでいる。このまま資源価格の低迷が続き、三井物産の純利益が三千億円を下回れば、伊藤忠商事は僅差ながら総合商社二位へ躍り出るのだ。  五大商社の純利益は過去、三菱商事と三井物産の二強の順位が入れ替わることはあったが、非財閥系商社が二位に着けたことは一度もない。実現すれば快挙だ。実は伊藤忠商事は懇意の日本経済新聞記者を使い、三井・・・