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経済

《経営者東京裁判》 カルロス・ゴーン(ルノーCEO兼日産自動車CEO)

ルノー・日産「共倒れ」を招く張本人

2015年5月号

「私が再任を狙っていると思うかもしれないが、それはあくまでも株主の判断にかかっている」。こう嘯いていたカルロス・ゴーン仏ルノーCEO(最高経営責任者)兼日産自動車CEOだったが、果たしていかなる結末を迎えたのか。

 現地時間の四月三十日開催されたルノーの年次株主総会。これにゴーン氏が会社側提案として持ち出してきたのが、CEOの定年変更だ。従来は六十五歳とされていたが、これを六十四歳までに取締役に就任していれば定款などで規定している任期中の四年間はCEOにとどまれるようにする。

 二〇一四年の株主総会で取締役再任が承認されたゴーンCEOの現在の任期は一八年まで。一九五四年生まれの同氏はちょうどその年に六十四歳になる。今回の株主総会で提案が可決され、ゴーン氏が一八年総会で再び取締役として信任されれば、最長で二二年までCEOを続けることができるようになるというわけだ。まさに「我田引水」そのものではないか。

「少なくとも一七年三月期までは日産CEOも続投することが事実上、内定した」。昨年のルノー株主総会でCEO再任が決まった際、・・・