「三年で結果を出さなければ、五年やっても同じ」―がかねての持論だったハズだ。

　米ＧＥ（ゼネラル・エレクトリック）に籍を置いたおよそ二十五年間。藤森義明は新しい役職に就くたびに三年で結果を出すよう求められ、しかもことごとくといっていいほどそれに応え続けてきたという。その意味で「三年結果説」は持論であると同時に、過去の成功体験に裏打ちされた、いわば自信と矜持の発露でもあったハズ。ましてや「プロ経営者」の称号を戴く身だ。結果を残せなかった以上、「辞任がスジ」（金融関係者）と思っていたが、いつの間にか宗旨替えしたらしい。

　六月二十六日に開催された住宅設備最大手、ＬＩＸＩＬグループの定時株主総会とその後の取締役会を経て、藤森の取締役再任と社長兼ＣＥＯの続投が決まった。一五年三月期の利益計画を期初数値から二度にわたって減額修正したあげく、最終的に前期比二五％超の営業減益に陥ったばかりではない。自らが「血道をあげた」（関係者）とされるＭ＆Ａディールの蹉跌で、三年間にわたり計六百六十億円にものぼる損失計上を余儀なくされる事態を招来したにもかかわらず、だ。・・・