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連載

西風 410

京都市が「観光優先」で躓き

2015年7月号

 来訪客と地元住民の軋轢。観光地が抱える永遠のテーマではあるが、折しも円安の影響で外国人観光客の流入が増加し各地で頭を悩ませている。そんな中、日本を代表する観光地である京都が「観光客優先、住民軽視」の施策を行い揺れている。  京都市中心部を東西に貫く四条通。その河原町界隈は百貨店や老舗商店が集まる市内最大の繁華街だ。観光シーズンはもちろんのこと、それ以外の週末も狭い歩道で肩と肩がぶつかるほど混雑する。  実は京都市は今、「歩いて楽しい街」という目標を掲げている。その手法は狭い歩道を拡張させるというシンプルなものだ。昨年十一月から、最も人が集まる四条通の烏丸から川端通までの一・一キロメートル区間の歩道を、従来の三・五メートルから一気に六・五メートルに広げた。  当然、道路側に拡幅したため、片側二車線、計四車線あった道路は、片側一車線に減らされた。全区間の完成は今年十月を予定しているが、すでに大半の歩道拡幅は終了している。他人にぶつかることが減り、訪れる観光客や買い物客にはおおむね好評だ。  しかし、割を食った車への影響は深刻だ。細い道が張り巡らされた京都市内で、太・・・