三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

経済

帝国データバンクが「危ない会社」に

止まらぬ社員流出と「労基署」検査

2015年11月号

「有能な幹部が退職している」「従業員の退社が目立っている」「社長や幹部に対する悪口が増えている」  これらの文言は、国内最大手の調査会社、帝国データバンクがホームページで公開している「危ない会社のチェックリスト」から抜粋したものだ。だが、天に唾するとはこのことだろう。これらの事象は、今まさに同社で進行していることそのものなのだ。  信用調査というデリケートな業務で日本国内のトップに立ち、「金融インフラの一部」とまで称される帝国の内情については、本誌七月号で詳らかにした。その後も同社の劣化はとどまるところを知らず、特に調査会社の命である人材の流出が危険水域に達してきた。 目標達成のための「評点営業」  前回記事では同社の根幹を担う、精鋭部隊「情報部」の部長が相次いで退職したことを取り上げた。しかし人材流出はその後も相次いでおり、とりわけ、稼ぎ頭である調査部、営業部の中堅社員の流出が痛手だという。また、本誌が摑んだ情報によれば、この一年の間に、元労働組合委員長をはじめとする組合幹部経験者が複数同社を去ったほか、昨期末(二〇一五年九月)には・・・