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政治

音量高まる「官邸不協和音」

「南シナ海と大阪」で亀裂が鮮明に

2015年12月号

 美しい夕日で名高いマニラ湾に臨む超高級ホテル「ソフィテル・フィリピン・プラザ・マニラ」。十一月十九日夜、首相安倍晋三はこのホテルで米大統領オバマと約七カ月ぶりの首脳会談を行った。フィリピンは南シナ海を挟んで中国と向き合っている。中国が強行した南沙諸島の人工島建設によって脅威を受け続ける南シナ海問題の当事国だ。かつてフィリピンにはスービック(海軍)、クラーク(空軍)の両米軍基地が存在した。米ソ冷戦の終結後、両基地ともフィリピンに返還されたが、これを契機にフィリピンは抑止力を失った。今や日米同盟はフィリピンの命綱と言っていい。日米両首脳のマニラ会談は、それ自体が中国に対する強い牽制でもあったが、日本国内で静かな波紋を呼んだのは安倍の発言だった。 「南シナ海での自衛隊の活動は、日本の安全保障に与える影響を注視しつつ検討する」  安倍は中国が南シナ海で建設した人工島をめぐって、自衛隊派遣について初めて「検討」の言葉を使って踏み込んだのだった。集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法が成立した直後だけに安倍発言の反響が日本国内に広がった。 安倍発言を即座に否定した菅・・・