The New York Times Innovation New York Times task team 　ニューヨーク・タイムズ紙の社主であるザルツバーガー家の次を担う御曹司、Ａ・Ｄ・ザルツバーガーが中心となって、デジタル革命の中でニューヨーク・タイムズ紙がメディア企業として生き残るための戦略を密かに練る極秘チームをつくった。各分野から次のリーダーと目される俊秀ばかり、全員二十代から三十代の働き盛りである。Ａ・Ｄは、同紙社会部のデスクだ。 　彼らは、米国に続々と生まれるデジタル・メディアの創業者、経営者、技術者（テクノロジスト）、記者ら三百人に直接、取材し、二〇一四年三月、その成果を盛り込んだ報告書（The New York Times Innovation）を社の経営陣に提出した。極秘の社内報告書であったはずだが、それがウェブサイトのBuzzFeedに漏れた。 　報告書は、編集幹部の意識改革が不可欠であることを説く。 　誰もが口ではデジタル革命に乗り遅れるなと言う。しかし、どのメディアも編集局は依然として新聞・雑誌のニューズルームのままで、デジタル事業・・・