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連載

日本の科学アラカルト66

ⅰPS細胞だけではない多能性幹細胞の研究

2016年2月号

 日本で多能性幹細胞といえば、二〇一二年にノーベル賞を受賞した山中伸弥氏が作製した「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」が真っ先に挙げられるだろう。すでに、目の疾患である加齢黄斑変性での臨床研究が始まっており、今年以降にも実用化に向けた動きが進む。

 より古い歴史を持つ、胚性幹細胞(ES細胞)はすっかり陰に隠れてしまった感があるが、実際には現在でも研究が続けられている。