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米シェール企業の 陽はまた昇る

サウジとの「石油戦争」は新局面へ

2016年6月号

 原油価格の低迷が長引く中で、米国のシェール業界が巻き返しをうかがっている。昨年初頭からすでに七十社以上が倒産または撤退し、「リーマン・ショック再来」との観測まで飛び出しているが、掘削現場から聞こえてくるのは、「まだこれから」という楽観論ばかり。シェール業界は本当に大丈夫なのか。
「倒産」は深刻なことではない
 カナダ国境に近い米ノースダコタ州ウィリストンは、シェール・ブームの象徴だ。
 バッケン油田の中心にあるこの小都市は、二〇一〇年の国勢調査で一万四千七百人だった人口が、一四年には一万二千人増の二万六千七百人になった。
 ところが同年後半から石油価格が下落したことで、今度はブーム崩壊後の「ゴーストタウン」の典型になった。ブームの最中に二十二軒まで増えたホテルは、空き室率が七五~八〇%。新住民向けに開店して間もなかったショッピング・センターやスーパーマーケットは相次いで閉店している。
 だが、地元紙記者に聞くと、「まあ、こんなものかという感じだよ」と言う。「一九八〇年代に、オイルショック後急騰した石油・・・