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WORLD

主要国から「孤立」する中国

世界の先頭に立てない「異質な大国」

2016年5月号特別リポート

  中国が国際舞台で異質ぶりを強めている。習近平国家主席の下で「大国」を目指す路線は、外交の場では、アメリカやアジア周辺国の反発を買い、経済・通商分野では、「市場のルールを守らない」と見なされる。
 習体制が世界に認知を迫る「中国例外主義」は、周辺国との摩擦激化や中国経済の失速によって、早くも中国を孤立無援へと追いやっている。初めて「G20」のホスト役を担い、九月の杭州サミットで強大国家の姿を世界に示そうという目論見は、苦い挫折に終わりそうだ。
日米欧とは真の仲間になれない
 四月に広島で開催されたG7外相会合。
 外相たちの原爆死没者慰霊碑への献花が注目を集めた会議には、その場にいない参加者がいた。中国の王毅外相は会議前から、「政治(=東シナ海や南シナ海での問題)を取り上げないように」と神経質なまでにG7側に繰り返し警告を発し続けた。
 それにもかかわらず、「海洋安全保障に関するG7外相声明」が採択され、中国を強く牽制する文言が盛り込まれた。王毅は、北京駐在のG7各国大使館幹部を中国外務省に・・・