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経済

三菱UFJに 「不正融資」の腐臭

「日本郵船」関連で捜査当局が重大関心

2016年4月号

 「捜査当局が重大な関心を寄せていることは間違いない」
 ある全国紙の社会部ベテラン記者はこう声を潜める。本誌二月号で報じた日本郵船による巨額融資詐欺への共謀疑惑―。それがここにきて俄かに刑事事件に発展しかねない様相を呈してきた。二〇一五年最大の倒産劇の背後で違法行為が繰り返されていた疑いがますます深まっているのだ。しかも問題は破綻したシンガポールに本拠を置く船主会社とその傭船先の日本郵船だけにとどまらない。造船メーカーや大手銀行をも巻き込んだ重大疑惑となりそうだ。あるメガバンク関係者が漏らす。
「中でも日本郵船の参画する三菱グループの三菱東京UFJ銀行(BTMU)が、半ば組織的に不正融資に手を染めていた疑いが濃くなっている」
一般行員が十年も担当する異常
 昨年十一月、日本郵船への船舶の貸し付けを統括しているラムスコーポレーションを中核とするユナイテッドオーシャン・グループ(UOG)の会社更生法適用申請が東京地方裁判所に申し立てられた。実際に船舶を保有するUOG傘下三十八社の特別目的会社(SPC)を含・・・