三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

社会・文化

女子高生が 「出産しまくる」米国

「高校内に託児所」日本も見習え!

2016年4月号

 少子化にあえぐ日本は、羨むべき数字だろうか。米疾病予防管理センター(CDC)によると、米国で二〇一四年に十五〜十九歳の女子が出産した新生児の数は約二十四万九千人にものぼる。日本はもちろんのこと、他の先進国に比べてもダントツに多い。眉をひそめる読者も多かろう。ふしだらな―と。学業の妨げになり、貧困にもつながりかねないとされるティーンエージャーの子作りだが、米国社会は十代の出産を寛容に受け入れ、支える構造を備えている。
 その象徴が各州に数多ある高校内の託児所だ。日本では「保育園落ちた日本死ね!!!」とのブログが国政を揺るがす一方で、十代女子によるおびただしい数の中絶で胎児の命が消えていく。それとは対極の「産める環境」が、米国には整っているのだ。
校長と生徒が「子育て仲間」
 過去の米国では、十代ママの低い教育レベルが問題になってきた。ほとんどの学校は、妊娠中の学生を追放し、中絶をしなければ復学できなかった。しかし一九七二年、教育に関与する性差別を禁止した「タイトルⅨ(教育改正法第九編)」という連邦法が成立したことで事態は一・・・