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政治

《政界スキャン》

「天皇軽視」安倍は本当に保守なのか?

2016年8月号

「天皇陛下生前退位のご意向」
 衝撃のニュースは、NHK社会部きっての敏腕で鳴らす宮内庁キャップの特ダネという。
 だとしても、事は政府・国会に扱いが委ねられる第一級の政治課題に他ならない。宮内庁が、首相官邸に早くから「ご意向」を報告していたのが当然なら、NHKが政権中枢に「裏取り」取材するのも自然である。
 この場合の「裏取り」は、単純な事実確認を超えた「事前通告」の含みも兼ねる。政権の反応を見て、表現の妥当性を「瀬踏み」できれば、歴史的スクープに後からケチがつかないよう保険を掛ける効能もある。
 ましてNHKは来年一月の会長交代を控え、各幹部が生き残りを賭けた政界工作の真っ只中にいる。菅義偉官房長官は、放送行政全般ににらみを利かす「影のドン」だ。政権に影響を及ぼすのが確実な夜七時のトップ・ニュースを、官邸に何の配慮もせず流すほど、NHK報道局が純真無垢な面々とも思えない。
 つまり、官邸中枢はスクープが出ることを、何がしか予期していただろう。特報の後、官邸・宮内庁幹部が一斉に否定のコメントを出したのも、予定の行動とみられる。だとする・・・