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政治

《罪深きはこの官僚》遠藤俊英 (金融庁監督局長)

三菱UFJ「不正融資」を お目こぼし

2016年8月号

「なぜ三菱東京UFJ銀行(BTMU)だったら穏便に済まされるのか。みずほならすぐに処分対象になっていただろう」
 某紙経済部の金融業界担当の記者は、BTMUの不正融資疑惑についてこう疑問を語る。本誌二月号などで報じた船主会社「ユナイテッドオーシャン・グループ(UOG)」の破綻にまつわる数々の疑惑。七月に入って「週刊文春」がUOGのBTMU側への過剰な接待や不適切融資の一端を報じ、「金融庁がどのような対処をするか」(メガバンク関係者)に注目が集まっている。しかし、「金融庁は積極的に調査をするつもりはなく、処分についても消極的」(情報筋)という。その理由は「三菱側から事前に報告が行われたから」(同)。その時期については「四月頃とみられている」(同)。
 ちょうどこの時期、「BTMUがUOGのインド人経営者、ヴィパン・クマール・シャルマ氏を刑事告発する動きがあるという噂が広まった」(銀行業界関係者)。しかし、その後話がストップし、調べてみるとシャルマ氏の代理人として「無罪請負人」の異名を持つ弘中惇一郎弁護士がつき、徹底抗戦する姿勢であることがわかった。
 この問・・・