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社会・文化

無駄飯喰らいの 「東京地検特捜部」

巨悪は「叩かない」腰抜け集団

2016年9月号

 開店休業が続く東京地検特捜部。他の捜査機関の「御用聞き」に落ちぶれて久しいが、その劣化具合に拍車がかかっている。
 折しも八月五日、齋藤隆博・前特捜部長が徳島地検へ異動し、後任に齋藤氏と同期の吉田安志・前東京地検公判部長が就任した。在京記者クラブとの会見で吉田部長は、特捜部長就任の打診について「まさかと思った」と漏らした。特捜部長が同期同士で交替した例がほとんどないだけでなく、部長の器ではないことを自覚しているからだろう。有力候補とみられていた両氏の一期後輩、山元裕史・東京地検公安部長は国税庁や証券取引等監視委員会(監視委)からの評判が悪いために外された。外部機関の「告発処理係」と化した現在の特捜部トップには適任ではないと判断されたのだ。吉田新部長は会見で「やるべき捜査をして、やれることをやっていく。関係機関と連携も大事だ」と述べた。巨悪を掘り起こしてやるという気概は感じられない。
インタビュアーと化す特捜検事
「特捜部が、ただのチェック機関になっている」
 ライブドア事件やオリンパス事件などを特捜とともに摘発してきた監視委の関係者は最近、こう・・・