「名医・良い病院特集」は、いまや雑誌の定番テーマ、いささかマンネリ化している感さえある。『選択』までがこの陳腐なネタを取り上げるとは……、とうんざりする向きもあるだろう。
　しかし、世に溢れる名医特集は、今がピークの腕利きを取り上げているとは言い難い。多くは旬を過ぎたビッグネームであったり、メディア露出が好きな自称「神の手」だったりで、医療現場で寸暇を惜しんで働いているバリバリの中堅どころはあまり紹介されない。
　医療の現実を知る医師たちの間で、頼りにされるのは、そうしたまだ無名の中堅どころなのである。
　当たり前だが、医療は専門性が高く、素人が勉強しても、医師の技量は判断できない。患者の状態も多様だ。どんな医師が自分に相応しいか判断するのも容易でない。医師の技量を評価しようとすれば、医者の間での評判が一番となる。
　編集部は、現役医師を対象に、命に関わる病気の際、頼れる名医についての聞き取り調査を実施した。彼らが推薦した医師の大部分が、がん、心臓病と脳血管障害の外科医たちだった。
　糖尿病や高脂血症、アトピ・・・